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星座としての国際文化学
  • 仕様:A5判並製
  • 209ページ
  • ISBN978-4-88359-315-6
  • 発行日:2013/03/31

星座としての国際文化学

―みつけて、つなぐ、学びのスタイル

山口県立大学国際文化学部 編

定価1,320円(本体1,200円+税)

在庫:あり

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概要

国際文化学の入門書。文化と文化が交差する場で起こる現象に学際的なアプローチを行う国際文化学で会得するのは、多様な立場からモノ、ヒト、情報を吟味するための学びのスタイルである。本書は異なる分野の専門家が、三つのキーワードをもとに、一見バラバラに見えるものの中に関係性を見つけ、新たなしくみやシステムをつくっていく発想や考え方を示す。グローバル時代に直面した日本の若者に、必要な思考のヒントを提示する内容となっている。

目次

  • はじめに
    1. ☆この本で取り上げる星(三〇のキーワード)
第一章 まなぶ―学びの姿勢、思考のヒント
  • 第一の星座 「遊学先は、日本。」…………(木越俊介)
    1. 幕末ごっこ 3/わしには分からん、あほじゃけぇ。 6/遊びと学び~三つの遊び 7
    2. 遊びとしての連歌 8/連歌とは 9/湯山三吟・三表七より 10/ことばのあやとり 12
    3. 解釈とは 13/実作例から 14/脈と綾 16/つなげてみる・たとえてみる 17
    4. 似たもの探し 18/見立て 18/つなげる力は年齢とともに 19/日本に遊学 21
  • 第二の星座 発想力を磨く一〇の発見…………(山口光)
    1. 発見の一 プロダクトデザインとの出会い 22
    2. 発見の二 「目」から発想する ―「考えるのではなく見つける」という発想方法― 24
    3. 発見の三 「条件」から発想する ―5W1Hでキーワードを並べる― 26
    4. 発見の四 「手」で発想する ―発想に形を与える― 27
    5. 発見の五 発想を揺さぶる ―強制的に偶然の発見をする― 28
    6. 発見の六 「心」で発想する ―考えること、感じること― 30
    7. 発見の七 発想を生み出す力、引き寄せる力 31
    8. 発見の八 発想を形にする勇気 ―恐れずに具現化する― 32
    9. 発見の九 地域から発想する ―地域性とオリジナリティー ― 34
    10. 発見の一〇 タイムスリップ感覚での発想 ―遅れているからこそ、堂々と「後だしジャンケン」― 36
  • 学生コラム1 私にとって国際文化学とは 40
第二章 さがす―ボーダーレス時代の生き方
  • 第三の星座 越境を読む…………(張玉玲)
    1. 国際移動の日常化 43/様々な「移動」 44/グローバル化と移動 45/イエ(home) 47
    2. ふるさと(hometown) 49/ルーツ(roots) 51/国境とアイデンティティ 52/越境と文化 55
    3. 戦略的共存・共生 59
  • 第四の星座 自分のボーダーを越える…………(岩野雅子)
    1. 壁を乗り越える 61/カルチャーショック 63/ハイブリッド 67
    2. 見えないけれど、ある 71/自分で選ぶ 73/プレゼントを受け取ろう 74
  • 学生コラム2 私にとって国際文化学とは 77
第三章 みつける―近現代から未来を読む
  • 第五の星座 「竹島問題について」をどのように読解するか…………(浅羽祐樹)
    1. 日本の領土紛争の数? 81/上陸/訪問、国・地域 82/岩/島 82
    2. 竹島・北方領土・尖閣諸島をめぐる各国の主張 83/それぞれの主張の確認から立場の比較へ 85
    3. それぞれに応じて「分かれて」「分かる」 85/メタ・レファレンス 86/現代版「解体新書」 88
    4. 「対照」させることで分かる「日本の(固有の)領土」 88/(書かれて)いることと(書かれて)いないこと 89
    5. 「権原」としての幕府の免許を受けた竹島利用 90/「島根県の竹島」 92/異なる主張 94
    6. 島根県への編入措置(一九〇五年)か、勅令第四一号(一九〇〇年)か 96
    7. 「その後」と領有意思の希薄化 97/反省的な契機 99
  • 第六の星座 境界線の上の日本語…………(井竿富雄)
    1. 主権線と利益線 101/広がる国境線 101/台湾の作家、龍瑛宗の場合―這い上がる努力 103
    2. 日本語を話し、日本人になること 104/植民地支配をする、されるということ 106
    3. 朝鮮の作家、金史良の場合―中枢に近い人 108/帝国の首都、東京 109/日本への「協力」と抵抗 110
    4. 政治の産物としての日本語小説 114/祖国への抵抗―台湾の場合 114/分断と流血―朝鮮半島の場合 115
  • 学生コラム3 私にとって国際文化学とは 118
第四章 つたえる―インプットとアウトプット
  • 第七の星座 読む・調べる・書く…………(加藤禎行)
    1. 複数の声 121/迷路と通路 126/物語を演奏する 131
  • 第八の星座 異文化とコミュニケーションする…………(林炫情)
    1. 異文化とのコミュニケーション 138/コミュニケーションはプロセスであり、文化である 140
    2. カリフォルニア・ロールは寿司なのか ― 新しい意味づけ 141/言語の多様性 142
    3. 気遣いのはずが…… 143/「沈黙の言葉(The silent language)」 144
    4. えっ? 近寄るな! ―なぜ通じない? 145
    5. 多様性はコミュニケーションの障害物ではなく相互理解を生む源? 146
    6. 「計画された偶然」自分の新たなチャンスを試す 148/外国語のすすめ 149
  • 学生コラム4 私にとって国際文化学とは 151
第五章 つなぐ―地域発、新たな文化の発信
  • 第九の星座 つながりが紡ぐ生活文化の創造…………(水谷由美子)
    1. ローカルとローカルがつながる時代 155/地域活性化のキーワードを探せ 159
    2. 産公学交流の時空間の創造 162/国際文化交流とデザイン 163
    3. 東北支援のためのTシャツ物語 165/継続、そして温めること 167
    4. ファッションショーからまちづくり、生活文化創造へ 169
    5. <資料>「サビエルと大内文化」に関わる一〇年間の研究創作事業 170
  • 第十の星座 まちを歩いて「国際文化人」になる方法…………(斉藤理)
    1. 身近な環境との「対話」を試みよう 173/装飾を探しに街に出る 174/銅板職人と江戸小紋 176
    2. 貴重な語り部としての装飾 177/「時間的厚み」を実感する 178/記念碑を歩いて観てみよう 180
    3. たった二人で社会を変える 181/地域の記憶を未来に活かす 182/文化遺産が風景をつくりだす 183
    4. 風景を守る人々 184/市民活動と「地域の風景」 186/さあ、まちを紹介してみよう 189
  • 学生コラム5 私にとって国際文化学とは 192
  • おわりに
  • <著者プロフィール>

責任編集者

岩野雅子

山口県立大学国際文化学部長

※発行時の奥付より

著者紹介

  • 第一の星座担当 木越俊介(日本文化論研究室) 山口県立大学国際文化学部文化創造学科准教授。
  • 第二の星座担当 山口光(デザイン学研究室) 山口県立大学国際文化学部文化創造学科准教授。
  • 第三の星座担当 張玉玲(中国社会論研究室) 山口県立大学国際文化学部講師。
  • 第四の星座担当 岩野雅子(異文化交流論研究室) 山口県立大学国際文化学部国際文化学科教授。
  • 第五の星座担当 浅羽祐樹(国際関係論研究生) 山口県立大学国際文化学部准教授。
  • 第六の星座担当 井竿富雄(比較政治論研究室) 山口県立大学国際文化学部国際文化学科教授。
  • 第七の星座担当 加藤禎行(日本文学研究室) 山口県立大学国際文化学部文化創造学科講師。
  • 第八の星座担当 林炫情(韓国語学研究室) 山口県立大学国際文化学部准教授。
  • 第九の星座担当 水谷由美子(企画デザイン研究室) 山口県立大学国際文化学部文化創造学科教授。
  • 第十の星座担当 斉藤理(地域文化創造論研究室) 山口県立大学国際文化学部准教授。
※発行時の奥付より

助成出版

山口県立大学出版助成金(特定課題研究)による出版

装幀