042-765-6460
(営業時間|平日9:00~17:00)
国際政治の基礎理論
  • 仕様:A5判上製
  • 314ページ
  • ISBN978-4-88359-373-6
  • 発行日:2021/01/31

国際政治の基礎理論

岡垣知子

定価2,970円(本体2,700円+税)

在庫:あり

フォームから注文

概要

国際政治とはどのような政治か?国際政治学を学ぶ醍醐味とは何か?『国際政治の基礎理論』は、国際政治学のエッセンスを体系的に学ぶ基本書である。集合行為の論理、分析のレベル、国家概念、国際政治構造等、基礎概念についての詳細な解説を通して、「政治の中で最も政治らしい政治」といわれる国際政治の本質に迫り、今日の国際政治学の代表的理論であるリアリズム、リベラリズム、コンストラクティヴィズムを紹介・評価する。本書で国際政治学を学ぶことによって、読者は、科学的にものを考える喜びや理論の世界の美しさにも視野を広げることだろう。同時に、学問と政策との関係、大学で学ぶことの意義についても示唆を得られる一書である。

目次

  • はじめに
第1部 国際政治学の鳥観図
第1章 国際政治学とは何か? -原点としての「アナーキー」-
  • 1.政治とは何か?
  • 2.国際政治学の三要素:アクター、イシュー、イメージ
    • 1)国際政治のアクター
    • 2)国際政治のイシュー
    • 3)国際政治のイメージ
  • 3.価値配分の問題:絶対的利得と相対的利得
  • 4.社会科学としての国際政治学
    • 1)科学的にものを考えるとは?
    • 2)相関関係と因果関係
    • 3)理論とは何か?
    • 4)理論化の意義
第2章 国際政治学史 -学問の成熟:願望から思考分析へ-
  • 1.国際政治学前史(1):古典の中の国際政治思想
  • 2.国際政治学前史(2):国際政治の組織化
  • 3.国際政治学の誕生:ユートピアニズムの時代
  • 4.E.H.カーとリアリズムの20年:第1論争
  •   -「ユートピアニズム(理想主義)」vs.「リアリズム(現実主義)」-
  • 5.第二次世界大戦後:リアリズムの時代
  • 6.第2論争 -「伝統主義」vs.「行動科学主義」-
  • 7.相互依存論の興隆と第3論争
  • 8.1980年代:ネオリアリズムの台頭とネオリベラリズム
  • 9.1990年代以降:冷戦終焉後の国際政治学
    • 1)楽観的シナリオ
    • 2)悲観的シナリオ
  • 10.アメリカ単極システムの行方
    • 1)単極システム肯定論
    • 2)単極システム否定論
  • 11.終わりに:学問分野の発展とは?
第2部 基礎概念
第3章 国際政治学の基礎概念①:集合行為の論理
  • 1.マンサー・オルソンの集合行為論
  • 2.鹿狩りの逸話
  • 3.ゲーム理論
    • 1)ゲーム理論とは何か?
    • 2)国際政治とゲーム理論
  • 4.囚人のジレンマ/ 安全保障のジレンマ
    • 1)囚人のジレンマゲームの国際政治への応用
    • 2)異なるタイプの囚人のジレンマ
    • 3)安全保障のジレンマ
  • 5.共有地の悲劇
  • 6.集合財とは何か?
  • 7.「集合行為の論理」は乗り越えられるか?
    • 1)コミュニケーションによる情報交換
    • 2)未来の影(Shadow of the Future)
    • 3)アクターの特質
  • 8.終わりに
第4章 国際政治学の基礎概念②:分析のレベル
  • 1.分析のレベルとは
  • 2.ウォルツの3つのイメージ
  • 3.ツキジデスと分析のレベル
  • 4.第1イメージの分析
    • 1)個人の特性による説明
    • 2)人間性による説明
  • 5.第2イメージの分析
    • 1)帝国主義論
    • 2)「民主主義による平和」論(Democratic Peace)
  • 6.第3イメージの分析
  • 7.オッカムの法則
第5章 国際政治学の基礎概念③:国際政治の構造
  • 1.国際政治構造の意味
    • 1)秩序原理
    • 2)極の数
  • 2.国際政治の安定性とは?
  • 3.勢力均衡と勢力階層(アナーキー vs.ヒエラルキー)
    • 1)勢力均衡論
    • 2)勢力階層論
  • 4.極の数をめぐる議論
    • 1)多極安定論
    • 2)2極安定論
    • 3)単極安定論(覇権理論)
  • 5.終わりに
第6章 際政治学の基礎概念④:国家概念とその変遷 -“de jure”と“de facto”の対話-
  • 1.国家とは?
  • 2.国家に付随する要素:主権、パワー、国益
    • 1)主権
    • 2)パワー=国力
    • 3)国益
  • 3.近代ヨーロッパの国家概念とその変遷
    • 1)国家の法的側面と社会学的側面
    • 2)ネイション
    • 3)ステイト
  • 4.国家概念の変遷:3つの分水嶺
    • 1)ウェストファリア条約と近代国家システムの誕生
    • 2)ヨーロッパ中心の国際社会と国家概念
    • 3)非植民地化以後の国家概念
  • 5.国家概念をめぐる論点
    • 1)“de jure”と“de facto”の対話
    • 2)国家の存続性の説明
  • 6.終わりに:国家の強靭性
第3部 国際政治の理論
第7章 古典的リアリズム - カー、ニーバー、モーゲンソー -
  • 1.E・H・カー(Edward Hallett Carr, 1892−1982)
    • 1)著作の背景
    • 2)カーの思想内容と特徴
    • 3)カーの意義と評価
  • 2.ラインホールド・ニーバー(Reinhold Niebuhr, 1892−1971)
    • 1)ニーバーの思想内容と特徴
    • 2)ニーバーの意義
  • 3.ハンズ・モーゲンソー(Hans J. Morgenthau, 1904−1983)
    • 1)モーゲンソーの理論の内容
    • 2)モーゲンソーの意義
  • 4.古典的リアリズムの特徴
第8章 ネオリアリズム -ケネス・ウォルツの国際政治理論-
  • 1.構造主義とシステム論
  • 2.ケネス・ウォルツの理論
    • 1)厳密な理論の定義
    • 2)国際政治のシステム理論の構築
  • 3.ネオリアリズムの内容と特徴
    • 1)国際政治のアクターについて
    • 2)還元主義批判
    • 3)構造が果たす役割
    • 4)古典的現実主義とネオリアリズムの相違
  • 4.日本におけるウォルツ理解
  • 5.ウォルツの理論をめぐる誤解
  • 6.ネオリアリズムの意義
  • 7.終わりに:ネオリアリズム以後
第9章 相互依存論とグローバリズム -時間と空間の克服?-
  • 1.リベラリズムの一般的特徴と3つの系譜
    • 1)理論的前提
    • 2)リベラリズムの多様性
    • 3)3つの系譜
  • 2.相互依存論とは何か?
  • 3.相互依存論登場の背景
  • 4.相互依存論の代表的論者
    • 1)リチャード・クーパー
    • 2)エドワード・モース
    • 3)ロバート・コヘインとジョセフ・ナイ
  • 5.相互依存論の評価
  • 6.グローバリゼーション論
  • 7.終わりに
第10章 「民主主義による平和」論 -政体か国益か?-
  • 1.「民主主義による平和」論(DP)とは何か?
    • 1)DPの説明
    • 2)実証研究
  • 2.DPの評価
    • 1)理論的側面
    • 2)経験的側面
    • 3)その他
  • 3.民主化論
    • 1)民主主義とは?
    • 2)民主主義への移行
    • 3)民主主義の維持と固定化
第11章 国際制度論 -アクターの主体性 vs. 制度的制約-
  • 1.制度についての研究史
  • 2.制度とは何か
  • 3.国際政治学における制度論の系譜
    • 1)地域統合論
    • 2)国際レジーム論
    • 3)レジーム論から国際制度論へ
  • 4.ネオリベラル制度論とグローバル・ガバナンス
  • 5.制度論と関連する理論・概念
    • 1)制度化
    • 2)コンプライアンス(遵守)
第12章 コンストラクティヴィズム(構成主義) -「アナーキー」は認識が生み出すもの-
  • 1.コンストラクティヴィズム台頭の背景
  • 2.コンストラクティヴィズムの内容
    • 1)ネオリアリズム・ネオリベラリズム批判
    • 2)規範と国際関係の構造
    • 3)コンストラクティヴィズムの多様性
  • 3.コンストラクティヴィズムの評価
終 章 理論について
  • 1.理論と実証
  • 2.理論と政策
    • 1)学究的世界と実務家の世界のギャップ
    • 2)理論はなぜ必要か?
    • 3)政策決定者に有用な理論とは?
  • 3.理論的活動の意義と国際政治学の醍醐味
  • あとがき
  • 索 引

著者紹介

岡垣知子(おかがき ともこ)

獨協大学副学長、法学部国際関係法学科教授。専門は国際政治学。ミシガン大学政治学博士(Ph.D.)、ハーバード大学客員研究員(2007−2010; 2018−2019)、パリ第一大学地理学研究所招待教授(2014)

    【主要著書】
  • The Logic of Conformity: Japan’s Entry into International Society, University of Toronto Press, 2013
  • 「人間・国家・戦争 ― 国際政治の3つのイメージ」(ケネス・ウォルツ著、共訳、勁草書房、2013年)
※発行時の奥付より

助成出版

獨協大学学術図書出版助成費による出版

装幀