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気づく技術と関心
  • 仕様:A4判並製
  • 178ページ
  • ISBN978-4-88359-381-1
  • 発行日:2022/04/06

気づく技術と関心

厚東 芳樹

定価2,200円(本体2,000円+税)

在庫:あり

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概要

あらゆるものごとには「出来事の予兆」があり、それに気づけるかどうかで、結果は大きく異なってくる。子どもから高く評価される授業を展開する教師も、多くの「気づく技術」を有し、それにより授業中の「出来事の予兆」に気づき、対処していた。それでは、仮に初任者とプロフェッショナルな者とが同じ事象を目撃したとき、同じ気づきをすべきなのだろうか?こうした問いに対して、「関心」が「気づく技術」を豊かにして「出来事の予兆」への気づきを生んでいること、各レベルで向けるべき「関心」が存在していることを説いたのが本書である。

目次

はじめに
  • 「気づく」ことの大切さ
  • 教育で育てるべきは関心である
  • 同じプロの中にも、一流以上とそれ以下がいる
  • 動機づけられた見落とし
第1章 身体は成長する
  • 実践者には成長の階層が存在する
  • 5つの成長段階モデル
  • キャリア発達と人格成長
  • チャンスは貯金できないからこそ
  • 初任者レベルの教師
  • 授業の型が無いとどうなるのか
  • 新人レベルの教師
  • 一人前レベルの教師
  • 越えられない壁もある
  • 私が学んだ初任者・新人レベルとは
  • 物(身)心二元論という身体論
  • 多様な経験が優れた身体を形成する
第2章 関心が『気づき』を生む
  • 関心と気づき-ある女子学生の話から-
  • プロは情熱的である
  • やり抜く覚悟と行動
  • 関心から「あれ?」という新たな問いが生まれる
  • 経験知と科学知
  • 比較で奪われた自信が経験知を阻害する
  • 実践命題の認識と関心
  • Sensitibity 研究小史
  • 夢とリアリティについて
  • 関心と「問いに気づく力」
  • 教育実習生に伝えたい話
  • 「見ると観る」と「ティーチングとコーチング」
  • 気づきを阻害するもの
  • 「出来事の予兆」への気づきに視点をあてた研究
  • 関心と気づき-一人前教師の場合-
  • 一人前レベルに到達する重要性
  • 「楽しさだけあればいい」は授業ではない
第3章 優れた教師の行動を科学する
  • 学校って何するところか
  • 学校に通う意味について
  • 学びの質の保障
  • 体育は劣等感が生まれる最初の活動である
  • 体育嫌いの子どもが生まれる原因
  • 良い体育授業像がわからない
  • 体育に対する愛好性を客観化する
  • 伝説の教師「橋本武先生」の実践と愛好的態度
  • 良い体育授業には基礎的条件がある
  • マネジメント整備と学習規律
  • 子どもがはやくやりたいという短距離走授業「8秒間走」
  • 運動従事量が子どもを笑顔にする
  • 導入場面で体育授業が失敗するかどうかがわかる
  • 体育科の教材研究とは何か
  • 集団づくりと組織づくりは違う
  • 集団を見ること
  • 学習過程(カリキュラム)を組織化する
  • 授業中の「出来事の予兆」への気づき
  • インタビューとは異なる「書く(記録する)」行為の意味
  • 優れた教師とそうでない教師の気づきの相違
  • 教育実習生の気づきの特徴
あとがき
引用参考文献一覧

著者紹介

厚東 芳樹(こうとう よしき)

大妻女子大学 家政学部 児童学科 准教授。山口県周南市生まれ。兵庫教育大学連合大学院では博士(学校教育学)を取得。高校教師や小学校教師を務め、北海道大学大学院教育学研究院に在籍後、平成31年度より現職。身体教育学を専門の研究領域とし、主に体育科教育学分野とコーチング学分野にて「出来事の予兆への気づき」をキーワードに研究している。他方、東南アジアやアフリカの孤児院や少数民族の人々の生活から学校教育の本当の在り方とは何かについても社会学的なアプローチを展開している。

※発行時の奥付より

装幀