定価3,960円(本体3,600円+税)
在庫:あり
財政赤字による財政再建だが、財政再建政策は、財政赤字ばかりに着眼してよいだろうか。戦後日本の財政再建政策は、歳出削減の一本槍から出発し、切実なニーズを満たした財政支出が少ない。ただ財政赤字を是正するための財政再建になってしまい、無理に「抜本的な」歳出削減政策が行われた。結果的に無理に削減した分野では、そのしわ寄せは公共サービスの縮小や負担の増加の形で、事業者や国民に負ってもらうことになり、削減できない分野に関しては、帳尻合わせの歳出削減だけになってしまった。なかなか財政再建が達成できない日本の財政政策の問題を解き明かす学術専門書である。
1983年、中国の吉林省四平市生まれ。高校卒業後、2003年4月来日。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士課程後期修了、博士(経済学)。嘉悦大学大学院非常勤講師、横浜国立大学産官連携研究員、帝京大学経済学部地域経済学科非常勤講師などを経て、現在、帝京大学経済学部地域経済学科(宇都宮キャンパス)専任講師。専門:財政学、財政政策、地方財政。
主要業績:『「地域」の学び方 経済・社会を身近に考えよう』(共編著)八朔社、2022年;「中国の土地制度と地方政府の土地財政収入」『帝京経済学研究』第54巻第2号、帝京大学経済学会、2021年;「基盤整備の担い手から機関投資家へ―戦後財政投融資の機能と限界―」井手英策(編)『日本財政の現代史Ⅰ:土建国家の時代1960年〜85年』(分担執筆)有斐閣、2014年;「小泉政権における財政再建の政策決定過程―緊縮財政から「歳出・歳入一体改革」へ」『横浜国際社会科学研究』第17巻第3号、横浜国際社会科学学会、2012年 など。
帝京大学経済学部地域経済学科共通経費補助金