定価2,200円(本体2,000円+税)
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混迷する国際社会における“納得のいく不一致点”の糸口を手繰り寄せるための場作りを、「ART×国際協力」の視点から探る。世界の振り子は混乱と紛争へと揺れはじめ、緊張感は高まる一方である。政治、経済、宗教、イデオロギー等による強い主張は、相互不信の溝を深め、武力による解決は更なる憎悪の連鎖を生んでいる。文化的存在としての人類は、様々な生活文化を生み出す術で、危険から身を守りサバイバルしてきた。これらの知的創造活動がARTであり、そこには、あらゆる文脈の違いを乗り越え、根元的な人類共通言語としての有効性が秘められている。今こそ平和を模索し、国際社会における“納得のいく不一致点”を見いだすための地球市民レベルでの場作りが必要とされ、そこでの人類共通言語としてのARTの有効性や可能性を、国際協力現場の実践報告及び様々な学術分野の知見から多角的に探る。
東京造形大学教授、博士(造形)、東京学芸大学教育学部美術科、放送大学院文化科学研究科教育開発プログラム、東京造形大学造形研究科博士後期課程修了。アルゼンチン国立ミッショネス大学芸術学部講師、アルゼンチン・ポサーダス市立美術館絵画研修講師、青年海外協力隊員としてパラグアイ派遣、国立教員養成校講師、香港日本人学校中学部、東京都公立中学校、国立大学法人東京学芸大学・附属竹早中学校、東京造形大学非常勤講師等を経て現職。
大阪芸術大学写真学科を卒業後、熊本市現代美術館に嘱託職員として勤務し学芸業務や市民参加型のアートプロジェクト、ワークショップ、美術館ボランティアの運営などに携わる。その後、青年海外協力隊員として東ティモールへ派遣され、平和構築系ローカルNGO BaFuturuにて、At risk youthと呼ばれる青少年らとともに、芸術表現活動を通してコミュニティー内の平和を推進するプロジェクトに携わる。これらの経験から、国や社会環境を問わない芸術表現活動や芸術教育の可能性を実感し、2014年にカンボジアで芸術教育支援を行う認定NPO法人JHP・学校をつくる会へ入職。現地事務所で当該事業のプロジェクトマネージャー、現地代表を務めた後、2022年に帰国し、現在は東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程1年に在籍。研究テーマは「開発・国際協力分野におけるNGOによる芸術や芸術教育に関わる事業活動の評価」。
国際協力機構(JICA)技術協力「エジプト 就学前教育・保育の質向上プロジェクト」チーフアドバイザー、ペパーソンインターナショナル株式会社代表取締役。東京学芸大中等教育教員養成課程美術専攻、青年海外協力隊(ヨルダン 職種 美術 1991~1993年)、国連開発計画(UNDPガザ事務所 1994~1996年)、JICA本部勤務を経て、エジプト、フィリピン、イラク、パレスチナでコミュニティー開発、参加型開発、農業、教育事業等に従事。2012年に子ども子育て支援を担う社会企業「ペパーソンインターナショナル(株)」を起業。
多摩美術大学絵画学科油画専攻。大学卒業後13年間、私立聖徳学園中学・高等学校で美術教育の現場に携わってきた。2014年JICA 教師海外研修参加(モンゴル)、 一般財団法人 東京私立中学高等学校協会 芸術体育系教科研究会 美術委員。ACCU ユネスコ・アジア文化センター 日韓国交正常化 招聘プログラム参加、2017年からJICA海外協力隊としてモザンビーク共和国の中等教育学校で美術教育を教える。2022年より東京造形大学 大学院 造形研究科 造形教育研究領域に在籍、実践研究活動にあたる。モザンビークの美術教育の現場に携わってきた経験から、2023年8月に現地調査及び現地での実践活動を実施。
東京造形大学研究助成金を受けての出版(2022~23年度)